Vol.299 2020.4.14

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

トリコロールが色を失う時 その2

世界で初めて確認された新型コロナウィルスの全貌は、前回寄稿した3月25日からほぼ20日を経過している今も尚明らかにされていない。イタリアではその間も連日感染者数を増やし、医療現場は手の付けられないようなパニック状態と化して、一日に600人ほどが行き場のない棺桶へと放りこまれている。

もはや単なる非常事態などではなく世界大戦の最前線もしくは春の陽光を受けながらも平穏を感じることのないまさに生き地獄であろう。
このまま家族とミラノに留まり生活して行くことを考えてウィルスへの感染がそこまで心配であったわけではないが、必然的に起こりうるであろう治安の乱れや、すべてがウィルスとの対峙へと向くことで手薄になるであろう医療機関の他疾病および外傷などへの対処を考慮すればやはり不安は募ってくる。治療のための病院を選べないということこそ心配なことはない。

イタリアの今もって先行き不透明な状況と、生活して行く上で保険として存在しなければならない病院のあり方を考えた時、まだ空の明るいうちに日本へ戻ろうと即決している。
3月25日に帰国を決めて27日のフライトを予約。わずか二日間しかないとあって家族みな慌てふためいたが猶予のないことはみなわかっている。文句も言わずそれぞれの帰国準備に取り掛かっている。

27日は早朝7時のフライトである。緊急事態とあって空港までの移動すらままならない。通常自宅近くのミラノ中央駅より出ているリムジンバスが全面ストップ。空港までのエクスプレス(電車)の始発も6時以降、各自ひとつずつあるスーツケースと家族4人を乗せてくれるタクシーもない。多少値は張るがリムジン会社にワンボックスカーを予約、自宅を4時30分に出発する。一般のみならず公用車に関しても許可証なくては行き来できない非常事態、ましてそのような朝早くに車を飛ばすものもいないのであっという間に空港に辿り着いている。

この日本までの道のりで何より恐れていたのはローマまで行きつかなければならないミラノからの空路移動である。イタリア全土において航路が縮小されていることもあり、たとえ早朝出発のフライトであれ一定の人数が機上している。簡単に州を跨げない時世ながらローマを目指しそこから自国に向かう人々も多くいるだろう。多くの人種と機内で80分留まらなければならないことには不安があった。

ローマの空港へ着いたら今度は7時間という待ち時間との闘い。すでに閉鎖されているターミナルもあり旅人がひとつの箇所に集中するのだろうという読みも、日本行きのゲートの前にはほぼ日本人しかおらず、そこでやっと緊張が解れている。そのあたり日本政府も海外からの外人受け入れを厳しく制限はじめた頃合いでローマから成田へ向かう機内にはほぼ日本人だけ、機内の半分を占めることになった。

堂満尚樹(音楽ライター)

ザルツブルク音楽祭100周年記念! ザルツブルク滞在 7日間

2020年8月12日(水)~8月18日(火)

本旅行での鑑賞公演

下記8/13の2公演からはお一つお選びいただきます。

プッチーニ《トスカ》

8月13日(木)20:30開演 ~ザルツブルク音楽祭~祝祭大劇場
指揮:M.アルミリアート
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
演出:M.シュトゥルミンガー
出演予定:A.ネトレプコ、Y.エイヴァゾフ、L.テジエほか

T.クルレンツィス&ムジカエテルナ

8月13日(木)21:00開演 ~ザルツブルク音楽祭~フェルゼンライトシューレ
指揮:T.クルレンツィス
マーラー《交響曲 第10番より「アダージョ」》
チャイコフスキー《交響曲 第6番 ロ短調「悲愴」》


モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》─新制作─

8月15日(土)18:00開演 ~ザルツブルク音楽祭~祝祭大劇場
指揮:T.クルレンツィス
演奏:ムジカエテルナ
演出:R.カステルッチ
出演予定:D.ルチアーノ、M.カレス、 N.パヴロヴァ、M. スパイアーズ、V.プリアンテ、A. L.リヒターほか


別手配鑑賞公演(別料金)のご案内

M.ポリーニ リサイタル

8月13日(木)17:00開演 ザルツブルク音楽祭 ~モーツァルト劇場~
◆シューマン《アラベスク ハ長調》
シューマン《アレグロ ロ短調》
シューマン《幻想曲 ハ長調》
ショパン《ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調》
ショパン《子守歌 変ニ長調》
ショパン《ポロネーズ 第6番 変イ長調「英雄」》

ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》

8月14日(金)19:30開演 ザルツブルク音楽祭 ~モーツァルト劇場~
◆指揮:G.カプアーノ
◆演出:M.ライザー、P.コリエ
◆演奏:レ・ミュジシャン・デュ・プランス
◆出演予定:C.バルトリ、J. カマレナ、N.アライモ、P.カールマンほか

ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団

8月14日(金)21:00開演 ザルツブルク音楽祭 ~祝祭大劇場~
◆指揮:L.シャニ
◆ピアノ:D.バレンボイム
◆ブラームス《ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調》
リゲティ《Lontano for large orchestra》
ラヴェル《「ダフニスとクロエ」第2組曲》

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

8月16日(日)11:00開演 ザルツブルク音楽祭 ~祝祭大劇場~
◆指揮:R.ムーティ
◆ソリスト:A.グリゴリアン、M. クレバッサ、D.ヨハンソン、G. フィンリー
◆ベートーヴェン《交響曲 第9番 ニ短調「合唱付」》

ヴェルディ《シチリア島の夕べの祈り》~演奏会形式~

8月16日(日)15:00開演 ザルツブルク音楽祭 ~フェルゼンライトシューレ~
◆指揮:D.ルスティオーニ
◆演奏:モーツァルテウム管弦楽団
◆出演予定:P.ドミンゴ、F.サルトーリ、M.カレス、R.ウィリス=ソレンセンほか

I.レヴィット ピアノリサイタル

8月16日(日)19:30開演 ザルツブルク音楽祭 ~モーツァルテウム大ホール~
◆ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ 第30番&31番&32番》

ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》

8月16日(日)20:30開演 ザルツブルク音楽祭 ~モーツァルト劇場~
◆指揮:G.カプアーノ
◆演出:M.ライザー、P.コリエ
◆演奏:レ・ミュジシャン・デュ・プランス
◆出演予定:C.バルトリ、J.カマレナ、N.アライモ、P.カールマンほか

第18回 ショパン国際ピアノコンクール 2020 【Aコース】《1次予選(前半3日間)》鑑賞 7日間

2020年10月1日(木)~10月7日(水)

第18回 ショパン国際ピアノコンクール2020の主な内容

1次予選

予定出場枠80人/〈A〉から〈C〉まで演奏
〈A〉(1)及び(2)グループより1曲ずつ
(1)
エチュード第1番 ハ長調 OP.10-1
エチュード第4番 嬰ハ短調 OP.10-4
エチュード第5番 変ト長調 OP.10-5「黒鍵」
エチュード第8番 ヘ長調 OP.10-8
エチュード第12番 ハ短調 OP.10-12「革命」
エチュード第23番 イ短調 OP.25-11「木枯し」
(2)
エチュード第2番 イ短調 OP.10-2
エチュード第7番 ハ長調 OP.10-7
エチュード第10番 変イ長調 OP.10-10
エチュード第11番 変ホ長調 OP.10-11
エチュード第16番 イ短調 OP.25-4
エチュード第17番 ホ短調 OP.25-5
エチュード第18番 嬰ト短調 OP.25-6
エチュード第22番 ロ短調 OP.25-10
〈B〉下記作品より1曲
ノクターン第3番 ロ長調 OP.9-3
ノクターン第7番 嬰ハ短調 OP.27-1
ノクターン第8番 変ニ長調 OP.27-2
ノクターン第12番 ト長調 OP.37-2
ノクターン第13番 ハ短調 OP.48-1
ノクターン第14番 嬰へ短調 OP.48-2
ノクターン第16番 変ホ長調 OP.55-2
ノクターン第17番 ロ長調 OP.62-1
ノクターン第18番 ホ長調 OP.62-2
エチュード第3番ホ長調 OP.10-3「 別れの曲」
エチュード第6番 変ホ短調 OP.10-6
エチュード第19番 嬰ハ短調 OP.25-7
〈C〉下記作品より1曲
バラード第1番 ト短調 OP.23
バラード第2番 ヘ長調 OP.38
バラード第3番 変イ長調 OP.47
バラード第4番 ヘ短調 OP.52
舟歌 嬰ヘ長調 OP.60
幻想曲 ヘ短調 OP.49
スケルツォ第1番 ロ短調 OP.20
スケルツォ第2番 変ロ短調 OP.31
スケルツォ第3番 嬰ハ短調 OP.39
スケルツォ第4番 ホ長調 OP.54

※コンクール課題曲及び会場、開演時間は2019年12月現在のものです。主催者側の都合等により、事前の予告なく変更される場合もあります。予めご了承ください。

フォトギャラリー

今年1月に催行した「ザルツブルク・モーツァルト週間 ザルツブルク滞在 7日間/11日間コース」の写真をアップしました!

旅行説明会

今後の説明会実施の有無につきましては、音楽・美術の旅ツアーデスクまでお問い合わせください。

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